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愛知製鋼、次世代鉄肥料が鉄欠乏症の改善を実証
2024/09/19
愛知製鋼は、石川県立大学、徳島大学との共同研究により、次世代鉄肥料「PDMA(プロリンデオキシムギネ酸)」が、アルカリ性土壌におけるトウモロコシの鉄欠乏症状を効果的に改善できることを実証した。
アルカリ性土壌は、世界の耕地土壌の約3割を占めており、鉄の溶解度が極めて低いため、多くの植物が鉄を十分に吸収できず、鉄欠乏症状を引き起こす。2021年に徳島大学と共同で開発したPDMAの鉄欠乏改善効果は、従来の研究においてイネで確認されていましたが、今回、世界の主要作物であるトウモロコシに対しても有効であると明らかになった。
今回の実験では、石灰質アルカリ土壌でのポット栽培において、PDMAが他のキレート材よりも効率的にトウモロコシの葉を緑化することが確認された。本結果はトウモロコシだけでなく近縁種で鉄欠乏にかかりやすいソルガム(世界五大穀物の一つ)にも同様の効果があることが期待され、アルカリ土壌における食糧生産やバイオマスエネルギー活用への貢献が期待で きる技術と考えられる。
同社は今後も、世界の食糧問題解決に向け、これまで培ってきたモノづくりのDNAを活かし、研究機関と協力しながら研究を継続する。また、安価な製造方法の開発にも取り組みPDMAの早期実用化を目指す。