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進幸金属興業(野洲)が出庭工場に富士車輌製2,000㌧シャー導入へ
2024/10/09
進幸金属興業(本社=滋賀県野洲市、田中信之社長)は出庭工場(滋賀県栗東市)に富士車輌製の2,000㌧スクラップシャーを新設する。今年の6月頃から基礎工事を開始しており、25年初頭の本格稼働を見込む。
同社は本社工場(15,500㎡)のほか出庭工場(7,130㎡)、水口工場(滋賀県甲賀市、11,220㎡)と3つの工場を県内に構え、月間7,000~8,000㌧を超える金属スクラップを扱う滋賀の金属リサイクル大手。大型シャーは本社に2基(1,000㌧、800㌧)、水口に1基(1,600㌧)備え、大半の母材は本社で処理しているが一部の長尺物や厚物は水口で加工してきた。ただ、本社と水口は20㌔弱離れており、本社から約2㌔と隣接する出庭工場に大型シャーを導入することを決めた。
同社の強みの一つは、大型設備の撤去は全て自社で請負い完結できる点にある。本社には20㌧と10㌧の天井クレーンがあり重量物の荷下ろしも可能。またガス切断についても自社の社員が全て担当する。業界内ではガス切断を行う職人の減少が課題となっているが、技術の継承が進み他社が苦手とする分野も苦としないことが大きなアドバンテージとなっている。
このように技術力を高め継承していく事に重きを置く姿勢は、創業者でもある中村重男会長の教えでもある。中村会長は奥さんとの二人三脚で努力を重ね、同社をわずか1代で有力リサイクラーへと成長させた。2017年に完成した現本社工場(当時は野洲工場)も擁壁や建屋の建設など大部分を自社で手掛けた。水口工場で稼働している大型シャーも自社で製作した一品である。社内のチームワークも良く、ここ20年以上定年退職以外で会社を辞めた社員は1人もいない。これも技術継承が可能となっている一因だ。
今後については、「会長の教えを根幹に、以前同様にスクラップ処理の技術力を高めていく。また大型ギロチン導入によりスクラップ処理の高速化と効率化を図り、従業員がより働きやすい環境を整備する。そして、よりお客様のニーズに応えられるように全社員一丸となって邁進していきたい」と中村承平専務は話している。