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稲葉商店(富士)が生理痛体験研修 女性の活躍できる職場へ
2024/11/21
(静岡)稲葉商店(本社=静岡県富士市、稲葉一剛社長)は19日、生理痛体験研修を実施し正社員全20名が参加した。
近年、働き方改革が進められ労働環境や待遇の見直しが求められている。同社では従来からシニア層や障害者、パートタイマーといった幅広い雇用を推進してきた。男性が圧倒的に多い業界内においても、女性ならではの人当たりの良さやきめ細やかな対応力といった部分は大きな強みであると考え、数年前から女性の営業職や現場作業員の採用を積極的に進めている。現在は社員の約3分の1が女性となっている。
女性の活躍には全社あげての理解が必要との思いから、社長自ら雇用環境整備士の資格を取得しているが、今回は女性特有の悩みでもある「生理痛」に焦点をあて、参加者は生理や生理痛の起こるしくみを学んだあと体験装置で生理痛を疑似体験した。その後は、グループで体験した感想や女性への気遣い、会社で取り組むべき課題などを話し合った。研修は、健康支援事業を手掛けるリンゲージ(東京都中央区)が行い、講師は臨床心理士の南舞氏が務めた。
体験では、男性社員からは「1ヵ月に1度この苦しみが来ると思うとゾッとする。体調の悪い女性は無理せず休みを取って欲しい」とする声が、また女性社員からは「痛みや苦しみについて異性だけではなく、同性の社員とも共有できた。当社は、早退などもしやすい環境にあるので助かっている」との声があった。
稲葉社長は、「女性の活躍を目指す以上は、結婚や出産を経ても続けられる職場でありたい。その為には風通しの良い環境で、休みやすい雰囲気を作ることは大切だ。ただ、会社全体の業務量が減るわけではないので、作業の効率化も含めて社内改善を進めて行きたい」と話している。