イボキン、アチハと共同で風車解体から抽出したネオジム磁石を国内100%資源循環

2025/03/07

 イボキン(本社=兵庫県たつの市、高橋克実社長)
は6日、風力発電関連事業のアチハ(本社=大阪府大阪市)と共同で、昨年に兵庫県で実施した風力発電機の解体工事でレアアース(希土類)を含むネオジム磁石を抽出、国内100%資源循環に成功したと発表した。
 ダイレクトドライブ方式の風力発電機は、発電機部分に希土類永久磁石(通称、ネオジム磁石)の使用が一般的と言われている。昨年の工事ではネオジム磁石を抽出後、解体現場及びイボキン龍野工場で脱磁処理後に国内大手非鉄商社を通じて国内需要家に販売、再生資源として国内での100%資源循環を成功させた。尚、ネオジム磁石は非常に強力な磁力で解体作業に危険が伴うため、イボキンとアチハの両社で適切な対策と作業手順により安全に解体を実施している。
 ネオジム磁石はネオジム、ジスプロシウム、テルビウムなどの希少鉱物が使用されているが、鉱山開発によるバージン原料自給率はゼロ%、リサイクル原料自給率も少ない状況で、国内自給率はほとんどないという。また従来は解体で発生するネオジム磁石は脱磁・選別の難しさや取引価格の問題などで、国内で資源の循環が出来ていないことが多いようだ。
 風力発電機は今後益々大型化が予想され、永久磁石ダイレクトドライブ方式の風力発電機は増加する可能性が高く、使われる磁石量の使用量も多くなると想定されている。イボキンとアチハの両社は、「本工事経験を活かして今後も安全に解体・選別する技術を磨き、貴重なリサイクル資源を適切に循環させて社会に貢献していきたい」とコメントした。