チヨダマシナリー 太陽光パネルリサイクル設備を販売開始

  リサイクル設備やコンクリート関連設備の製造を手掛けるチヨダマシナリー(本社=埼玉県北葛飾郡杉戸町、山下則夫社長)はこのほど、太陽光パネルリサイクル設備として新たに開発した「PVリサイクルハンマー」の販売を本格的に開始する。同機は初期投資費用を抑えられるようにするため、3500万円で事業をスタートできるのが最大の特長だ。同社はグループ企業との技術協力により、太陽光パネルのガラス部分のリサイクル技術も確立しており、今後は同機を導入した企業とのガラスリサイクルの協業体制構築も視野に入れ事業の拡充を図る。
 
 
アルミ枠分離装置

  ガラス分離装置

 
初期投資を抑え事業化が可能
 
 
 
 太陽光パネルリサイクル設備「PVリサイクルハンマー」は、アルミ枠分離装置とガラス分離装置で構成され、価格はアルミ枠分離装置が700万円、ガラス分離装置が2800万円。両機セットで合計3500万円の初期投資で事業を始められる。
 同機の開発と価格設定について山下社長は「太陽光パネルの大量廃棄時代が訪れることは確かだが、経年劣化によってどのくらい排出されるか、自然災害などの被害により破損しどのくらい排出されるかは不透明だ。このため、『一定の能力を持たせつつ、低価格で提供できる設備』を目指した」と話す。
 最初の処理工程となるアルミ枠の分離を解体現場などで行えるようにするため、アルミ枠分離装置は可搬式とし車両に載せられる設計とした。
 また、アルミ枠の分離を手作業で行う場合は、ガラス分離装置単体での使用も可能なため、この場合の初期投資は2800万円まで抑えられることとなる。
 1号機は既に埼玉県の廃棄物処理業者に納入済みで、2号機は群馬県、3号機は石川県の事業者への納入が決定している。
 現在、福島県や香川県の事業者らと商談が進んでおり、全国からの問い合わせも増加傾向にある。また、廃棄物処理業者だけでなく金属リサイクル業者からの問い合わせも増えている。
 金属リサイクル業界からの問い合わせで多いのが、「ガラスのリサイクル」に関するものだという。金属リサイクル業者は各種スクラップの販売ルートは持つが、ガラスは廃棄物として処理するケースが多い。山下社長は「太陽光パネルのリサイクルを手掛けることでガラスの販売ルートやリサイクル方法を模索する動きがある」と話す。
 
ガラスリサイクルで協業
 ポーラスα
 同社はグループ企業との技術協力により、リサイクルガラスの製品化を実現している。
 リサイクルガラスを製品化した多孔質ガラス発泡材「ポーラスα」は、土壌改良の能力を持つほか、土のうに代わる軽量段差修正材として道路の段差の修正などに用いることも可能だ。また、悪臭を分解する微生物を付着させたポーラスαは脱臭や水質浄化にも活用できる。
 このほか、建設資材や土木資材用にリサイクルガラスを活用した製品も開発しており、グループ企業との技術協力によるガラスのリサイクルにも一層注力していく方針で事業を進めている。
 本格販売を開始する太陽光パネルリサイクル設備「PVリサイクルハンマー」は、コストパフォーマンスはもちろん、構造はシンプルで省スペース化も実現した製品で、太陽光パネルリサイクルを始めるための機能を集約したものだ。
 山下社長は「今後、太陽光パネルの廃棄量がどのように推移するかは不透明な部分もあるが、当社の設備を導入して頂いた企業の皆様と協業するかたちでネットワークを構築できればと考えている」と話し、ガラスや金属、廃棄物のリサイクルに携わっていく計画だ。
 

 
 
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